2009年02月09日
何故、アメリカのがん患者は減っているのか?
「治療」から「予防」へ。成功への転換点
日本では、死亡率が下がっているがんよりも上昇しているがんの勢いのほうが強く、今後がんの死亡率は上昇の一途をたどるのではないかと予想されています。
ところが、がん患者が増え続けていたアメリカでは1990年を境にがんの罹患率、死亡率ともに減少に転じました。がんによる死亡者は一時は60万人を超えそうだったのが徐々に減少し50万人ぐらいになっています。これはアメリカにおけるがん予防対策、生活習慣改善の取り組みによるところが大きいとされています。
当時アメリカは治療技術に着目し、莫大な予算を投じました。しかし、死亡率は一向に下がる様子をみせず、新たな対策を論議しました。その結果、「治療」ではなく「予防」を重視した対策を進めるべきだという意見に方向転換したのです。この時期のアメリカは国民全体が病気の予防や健康習慣といったことに目覚めた時期でもあり、政府の政策転換は広く社会に受け入れられました。そうした社会背景をベースに、1979年、「ヘルシー・ピープル」という新しい健康対策を打ち出しました。
「ヘルシー・ピープル」1990年のアメリカ国民の健康レベルについて数値目標を設定し、その目標に到達するための疾病予防・健康増進対策を体系化したものです。現在アメリカでは第2次計画である「ヘルシー・ピープル2000」が展開されています。この対策の特徴は数値目標が具体的であるということです。ご参考までに具体的な数値目標をいくつかご紹介します。
・20歳以上の集団で、喫煙率を15%以下へ減少させる。
・「40歳以上の女性のうち、視触診とマンモグラフイ検査を少なくとも過去1回受けたことのある人」の割合を、現状の36% から80%以上にする。
・「50歳以上のうち、この1~2年の間に便潜血を受診した者」の割合を27%から50%以上にする。
これらの目標を達成するため、アメリカ政府は具体的にさまざまな面から支援を行っています。例えば、メディケア(高齢者医療保険)では3つのがん検診を無料で受けられるようにしていますし、民間の医療保険に対しても、加入者に定期的にがん検診を実施するよう指導を行っています。この対策により、がん罹患率、がん死亡率は下がっていきました。
また、特徴的なのは乳がんです。アメリカでもっとも死亡率が減っているがんですが、罹患率は1990年以降、増えもしなければ減りもしない状況です。つまり、乳がんにかかる人は減っていないのに、乳がんで死亡する人はどんどん減っている、これはまさしく検診(マンモグラフィと視触診による)が普及して受診率が上がり、死亡率が下がったということです。
日本では、死亡率が下がっているがんよりも上昇しているがんの勢いのほうが強く、今後がんの死亡率は上昇の一途をたどるのではないかと予想されています。
ところが、がん患者が増え続けていたアメリカでは1990年を境にがんの罹患率、死亡率ともに減少に転じました。がんによる死亡者は一時は60万人を超えそうだったのが徐々に減少し50万人ぐらいになっています。これはアメリカにおけるがん予防対策、生活習慣改善の取り組みによるところが大きいとされています。
当時アメリカは治療技術に着目し、莫大な予算を投じました。しかし、死亡率は一向に下がる様子をみせず、新たな対策を論議しました。その結果、「治療」ではなく「予防」を重視した対策を進めるべきだという意見に方向転換したのです。この時期のアメリカは国民全体が病気の予防や健康習慣といったことに目覚めた時期でもあり、政府の政策転換は広く社会に受け入れられました。そうした社会背景をベースに、1979年、「ヘルシー・ピープル」という新しい健康対策を打ち出しました。
「ヘルシー・ピープル」1990年のアメリカ国民の健康レベルについて数値目標を設定し、その目標に到達するための疾病予防・健康増進対策を体系化したものです。現在アメリカでは第2次計画である「ヘルシー・ピープル2000」が展開されています。この対策の特徴は数値目標が具体的であるということです。ご参考までに具体的な数値目標をいくつかご紹介します。
・20歳以上の集団で、喫煙率を15%以下へ減少させる。
・「40歳以上の女性のうち、視触診とマンモグラフイ検査を少なくとも過去1回受けたことのある人」の割合を、現状の36% から80%以上にする。
・「50歳以上のうち、この1~2年の間に便潜血を受診した者」の割合を27%から50%以上にする。
これらの目標を達成するため、アメリカ政府は具体的にさまざまな面から支援を行っています。例えば、メディケア(高齢者医療保険)では3つのがん検診を無料で受けられるようにしていますし、民間の医療保険に対しても、加入者に定期的にがん検診を実施するよう指導を行っています。この対策により、がん罹患率、がん死亡率は下がっていきました。
また、特徴的なのは乳がんです。アメリカでもっとも死亡率が減っているがんですが、罹患率は1990年以降、増えもしなければ減りもしない状況です。つまり、乳がんにかかる人は減っていないのに、乳がんで死亡する人はどんどん減っている、これはまさしく検診(マンモグラフィと視触診による)が普及して受診率が上がり、死亡率が下がったということです。
Posted by エリック at 11:29│Comments(0)
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